大腿骨転子貫通骨折に対する人工骨頭ステム緩みに対して人工股関節再置換術を行った1例

抄録

<p>【要旨】80歳男性.4年前にバイク事故にて右大腿骨転子貫通骨折を受傷し,髄内釘で骨接合術が行われた.術後5ヵ月後で偽関節の診断となり,人工骨頭置換術(MOD-Centaur®stem,京セラメディカル社)が行われた.しかし,徐々にステムの沈下を認め,術後3年9ヵ月でステム緩みと診断され,当科に紹介された.受診時,右股関節は外旋しており,歩行時痛を伴った.JOAスコアは67点であった.画像ではステムは内反,後捻し,ステム先端は外側へ穿破しかかっていた.血液検査では炎症所見に乏しく,穿刺培養は陰性で,ステムの緩みと診断した.手術は側臥位で行った.ステムを抜去し,カップ(G7 OsteoTi,Zimmer-Biomet社)を設置した後にセメントロングステム(CRC,Zimmer-Biomet社)を用いた人工股関節再置換術を行った.抜去ステムにはbone in-growthは認めなかった.術翌日より歩行訓練を開始し,術後3週で自宅へ退院した.術後3年でカップやステムの緩みなく,JOAスコア93点と疼痛なく経過良好であった.</p>

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参考文献 (2)*注記

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