抄録
<p>【背景】我々は両側大腿骨近位部骨折の危険因子に関して片側例と比較検討した結果,初回骨折後の最終歩行レベルが両側骨折の有意な因子であることを第144回本学会で報告した.今回,症例数を増やし骨粗鬆症治療に着目して検討を行った.【対象】傾向スコアマッチングで年齢・性別・BMIといった患者背景を統一し片側群85例,両側群85例で比較検討した.【結果】SERM,ビスフォスフォネート,デノスマブ,テリパラチドのいずれか,もしくはビタミンD製剤との併用で骨粗鬆症治療が行われていた症例は,片側群32例(38%),両側群19例(22%)であり,有意に両側群の骨粗鬆症治療率が少ないという結果であった.(P=0.0296)【結語】本研究結果から「骨粗鬆症治療なし」は両側大腿骨近位部骨折に至る有意な危険因子であることが明らかになった.(オッズ比2.1,95%信頼区間1.1-4.1).また,片側群,両側群ともに骨粗鬆症治療率は低く,治療および継続率の向上が必要である.</p>
収録刊行物
-
- 整形外科と災害外科
-
整形外科と災害外科 73 (2), 206-210, 2024-03-25
西日本整形・災害外科学会
- Tweet
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390018672472948480
-
- ISSN
- 13494333
- 00371033
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
- Crossref
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可