成人脊柱変形矯正術後に偶発的に腹腔動脈圧迫が発見された一例

抄録

<p>47歳男性 既往歴:神経線維腫症1型,てんかん.中学生時に側弯症を指摘され近医で保存的に加療されていた.47歳時に腰痛悪化し当院紹介となり,前方解離(T7/8-T9/10),後方矯正固定術(T3-L3)を施行した.術後10日目に吐血し,上部消化管内視鏡検査で胃潰瘍からの出血を確認し,クリッピングを行い止血した.術後20日目,再度吐血しクリッピングのみでの止血は困難と判断し経カテーテル動脈塞栓を行った.その際の造影CTで偶発的に腹腔動脈の圧迫を発見した.塞栓術の際に順行性に腹腔動脈の血流は確認され胃潰瘍との関連は不明であった.その後は再出血なく術後37日目に退院となった.成人脊柱変形矯正術後の急性腹腔動脈圧迫症候群は稀とされるが,本例のように無症候であっても腹腔動脈の狭窄を来している症例もあり,矯正量の大きい症例では特に術前の評価,手術計画に注意が必要である.</p>

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