左Blalock–Taussig原法術後40年が経過した超遠隔期の短絡吻合部狭窄に対する経皮的血管形成術の治療経験
書誌事項
- タイトル別名
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- Percutaneous Transluminal Angioplasty for Severe Original Blalock–Taussig Shunt Stenosis in Adults with Unrepaired Cyanotic Congenital Heart Disease: Case Reports
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説明
Blalock–Taussig短絡手術(BT短絡手術)は肺血流減少型のチアノーゼ性先天性心疾患(C-CHD)に対して体循環を担う鎖骨下動脈を直接(BT原法)あるいは人工血管を介して(BT変法)肺動脈へ吻合し,短絡路を作成することで肺血流を確保する外科的治療である.肺血流量の増加によりチアノーゼは軽減し,さらには肺血管床の発達や前負荷増大による体心室容積の増大を目的とし,心内修復術までの繋ぎとする姑息術である.しかし,様々な理由で心内修復術に到達できずBT短絡に依存した状態で成人期を迎えるC-CHD患者が存在する.その場合,遠隔期のBT短絡の機能不全は低酸素血症の進行をきたし,ADLへの影響のみならず,ときに致死的になりえるため,適切な診断と管理が必要である.我々は,心内修復術に至らなかったもののBT変法による短絡術により長期に安定していた成人C-CHD患者において,術後40年経過し短絡血管の高度吻合部狭窄によって低酸素血症が進行し,経皮的血管形成術により症状の改善を得ることができた2症例を経験した.BT原法術後超遠隔期の短絡血管吻合部狭窄に対するカテーテル治療の報告は少なく,貴重な経験として報告する.
収録刊行物
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- 日本成人先天性心疾患学会雑誌
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日本成人先天性心疾患学会雑誌 13 (2), 21-27, 2024-05-31
日本成人先天性心疾患学会
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キーワード
詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390018904573117568
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- ISSN
- 2435287X
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可