他機関で補聴器購入後に当院補聴器外来を受診した症例の実態と当院での補聴器装用訓練の効果について

書誌事項

タイトル別名
  • Effect of Hearing Aid Auditory Training on the Condition of Patients Who Visited Our Hearing AidOutpatient Clinic after Purchasing Hearing Aids at Other Institutions
  • タ キカン デ ホチョウキ コウニュウ ゴ ニ トウ イン ホチョウキ ガイライ オ ジュシン シタ ショウレイ ノ ジッタイ ト トウ イン デ ノ ホチョウキ ソウヨウ クンレン ノ コウカ ニ ツイテ

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説明

<p> 補聴器外来には加齢性難聴で受診する症例が最も多いが, その中には今までに補聴器の装用経験がない症例だけでなく, 他機関で補聴器を購入したが, 装用効果に不満を感じて受診した症例も含まれる. 補聴器装用経験者の実態について調査・検討した. 2018年1月~2022年1月に当院補聴器外来に初回受診した411例のうち, 受診前に補聴器の装用経験があった111例を対象とした. 平均年齢は79.7歳で, 平均良聴耳聴力は 55.2dBHL であった. 使用中の補聴器を持参した症例は95例で, その97.3%が適合不十分で, 約70%が補聴器専門店で購入していた. 装用経験者に対し, 改めて聴覚リハビリテーションを行った. 33例は持参した補聴器を使用し, その他は新規に試聴器を使用した. 補聴器の調整は目標を各周波数のファンクショナルゲインがハーフゲイン程度とし, その70%程度から装用を開始した. 補聴器は常時装用を促し, 頻回に利得を増幅し, 3カ月の時点で適合を確認した. 補聴器適合率は97%であり, 購入率は98%であった. きこえについての質問紙2002 (装用前) と (装用後) の平均点を比較したところ, 聞こえにくさに関する質問は全て有意に減少した. 他機関で補聴器を購入したが適合が不十分であった症例も, 聴力に見合った補聴器で適切なフィッティングと装用訓練を行うことで高率に適合を得ることができると考えられた.</p>

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