患者・家族からの苦情に対する国際的な分類法のわが国での使用可能性に関する検討

  • 浦松 雅史
    東京医科大学医療の質・安全管理学分野 東京医科大学病院医療安全管理室 東京医科大学病院総合相談・支援センター
  • 小島 多香子
    東京医科大学国際医学情報学分野
  • 安藤 裕
    宮城大学事業構想学群
  • 高橋 恵
    東京医科大学医療の質・安全管理学分野 東京医科大学病院医療安全管理室
  • 石川 孝
    東京医科大学病院総合相談・支援センター 東京医科大学乳腺科学分野
  • 三島 史朗
    東京医科大学医療の質・安全管理学分野 東京医科大学病院医療安全管理室
  • 藤澤 由和
    東京医科大学医療の質・安全管理学分野 宮城大学事業構想学群

書誌事項

タイトル別名
  • The feasibility of using the international classification taxonomy for complaints from patients and their families in Japan
  • カンジャ ・ カゾク カラ ノ クジョウ ニ タイスル コクサイテキ ナ ブンルイホウ ノ ワガクニ デ ノ シヨウ カノウセイ ニ カンスル ケントウ

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説明

患者・家族から医療機関に寄せられる苦情は、患者の生命・身体のみならず、病院組織に対する重大な危険をもたらす場合がある。一方で、医療機関にとってケアの質を向上させるものとしてその利活用の方策が模索されてきたが、2014年に、Readerらがシステマティック・レビューにより、苦情の分類法を確立することで、ようやく今後の利活用への展望が開けた。本研究では、この分類法の日本語版を作成し、わが国での苦情等の患者意見に適用し、利用可能性を検証するとともに、苦情の傾向を検討する。<br>結果として、日本語版苦情分類法はわが国の苦情に対しても利用可能であった。また、わが国での苦情の傾向が海外の傾向と異なること、診療領域ごとに多い苦情カテゴリーが存在することが明らかとなった。<br>日本語版苦情分類法の確立によりこれを用いた知見の蓄積が可能となり、わが国でも病院ごとの苦情対応から、組織を超えた組織改善への利活用へと展開することが可能となったといえる。

収録刊行物

  • 安全医学

    安全医学 18 (0), 12-21, 2022-05-31

    一般社団法人 日本臨床医学リスクマネジメント学会

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