頸部外切開を要した声門下肉芽腫の1例
書誌事項
- タイトル別名
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- A Case of Subglottic Granuloma Requiring an External Cervical Incision
説明
<p>喉頭肉芽腫は全身麻酔や緊急気道管理,慢性疾患の呼吸管理目的での気管挿管や外傷,感染症が原因で引き起こされる.特に声門下肉芽腫は比較的稀な疾患であり,再発しやすく治療に難渋する場合も多い.今回,長期気管挿管後に声門下肉芽腫を発症し,外科的治療で良好な結果を得た症例を経験したので報告する.症例は32歳男性,インド人.COVID-19肺炎に罹患し,他院で長期気管挿管による治療が行われたが,退院から約1ヵ月後,呼吸苦を主訴に当院を受診した.初診時,吸気時喘鳴を認め,喉頭ファイバーにて両側の声門開大不全を認め,原因不明の両側声帯麻痺と診断した.同日緊急気管切開術を施行.声門開大不全の改善を認めないため,入院8日目に気管切開孔から喉頭ファイバーで確認したところ,声門下後方に巨大な肉芽腫を認めた.声門下肉芽腫は両側声帯裏面に接しており声門開大不全の原因と考えた.気管切開術後,2週間保存的加療で経過観察したが声門下肉芽腫の縮小変化が無かったため,頸部外切開による声門下肉芽腫除去術を計画した.全身麻酔下で輪状甲状間膜切開部より硬性内視鏡補助下に声門下肉芽腫を除去した.術後声門の開大も得られ,術後2ヵ月後に気管カニューレを抜去した.術後9ヵ月経過した時点では,喉頭ファイバー所見では再発を認めていない.</p>
収録刊行物
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- 耳鼻咽喉科展望
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耳鼻咽喉科展望 66 (3), 108-113, 2023-06-15
耳鼻咽喉科展望会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390019058250224512
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- ISSN
- 18836429
- 03869687
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可