戦争記憶の語り継ぎと地域の関係性 : 片町線沿線を中心に

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  • War Memories Among Local Communities : Along the Katamachi Line

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本稿では戦時中のJR片町線(現在の愛称は学研都市線)沿線を中心に大阪府枚方市に存在した3つの陸軍施設(禁野火薬庫と枚方製造所,香里製造所)と京都府精華町にある祝園弾薬庫,そして大阪府大東市住道に存在した2つの松下の関連施設(松下無線四條工場,松下飛行機住逍工場)について,その成り立ちや戦後の歩みを比較し,戦争記憶の語り維ぎという観点から,各施設と地域との関係性について考察した。戦争記憶は,地域への影響や痕跡があればあるほど,現在まで語り継がれているという傾向にあり,戦時中の出来事だけでなく,大きな影響を与えた出来事が戦後のことであっても,その背景にある過去の歴史もあわせて地域に語り継がれていることがわかった。戦後も80年が過ぎた今,地域に残された影響や痕跡を伝えていくことが,これから先の戦争記憶の語り継ぎにおいて,重要な割合を占めていくことになると考えられる。

野間晴雄教授退職記念号 特集:地理学万華鏡─俯瞰・比較と応用

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