心理療法プロセスに関する多様な研究の可能性

説明

<p>心理療法場面では,セラピストとクライエントとの間にどのような言語的‐非言語的な相互作用が生じているのだろうか。臨床心理学において逐語録を用いた質的な研究は長年行われているが,質的に「良い展開である」と評価される対話の瞬間,セラピストとクライエントの身体や脳活動に何が起こっているのだろうか。こうした問いに応えるための研究は,各指標を測定する方法別に各領域で行われてきた。しかし近年,複数の方法を組み合わせて計測を行うことが技術発展に伴い以前より容易になったことや,大量のデータを処理する機械学習モデルが発展したことにより,マルチモーダルな側面から心理療法プロセスの研究を行う機運が高まっている。そこで本シンポジウムは,心理療法プロセスの定量的な測定を行った研究,心理療法において「腑に落ちる理解」を質的に評価する研究,近年認知科学領域で盛んなfNIRSを用いた二者間の同時脳活動測定の研究に関するレビューとその応用可能性に関して話題提供いただき,指定討論および登壇者全体での討論を通じて,心理療法プロセスを多様な方法論で検討することの現状や発展可能性,解決すべき課題などについて整理したい。</p>

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