悪性黒色腫との鑑別を要した足底の Thrombosed Solitary Angiokeratoma

DOI Web Site 2 References
  • 竹内 聡
    国家公務員共済組合連合会　浜の町病院皮膚科 九州大学大学院医学研究院皮膚科学
  • 松本 紗也加
    国家公務員共済組合連合会　浜の町病院皮膚科
  • 米田 玲子
    国家公務員共済組合連合会　浜の町病院病理診断科
  • 中原 剛士
    九州大学大学院医学研究院皮膚科学

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<p>患者：38 歳，女性</p><p>主訴：右足底の黒色小結節</p><p>既往歴：盲腸で手術，誤嚥性肺炎後に右下肢麻痺，右大転子部の褥瘡手術</p><p>現病歴：初診の約 1 年前に右足底の土踏まずに血豆のような黒いものが出現し，次第に表面がガサガサしてきて大きく硬く盛り上がってきたため当科を受診した。</p><p>初診時現症：右足底の土踏まずに径 6 mm の角化を伴う黒色小結節がみられ（図 1 a），拡大すると黒色の小塊が一部角層を破って露出しているようにみえた（図 1 b）。ダーモスコープでは white scales や dark red scabs と呼ばれる過角化と blue-whitish veil，および maroon to blue-black lacunae と呼ばれる，大小の黒色，黒褐色，黒青色の結節構造がみられた（図 1 c）。</p><p>病理組織学的所見（HE 染色）：著明な過角化を伴う表皮肥厚がみられ，真皮乳頭層で拡張した壁の薄い血管が増生，集簇し，血管腔内には赤血球が充満して血栓を形成していた。増生した血管群を取り囲むように表皮突起の延長がみられ（図 2 a），表皮直下に位置する拡張血管の一部では実際に表皮突起が閉環している像もみられた（図 2 b）。また，角層内には取り込まれた血栓が幾重にも重層している像もみられた（図 2 c）。</p><p>診断：Thrombosed solitary angiokeratoma</p><p>治療および経過：2 mm マージンでの切除により病変は消失した。</p>

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