大動脈解離に多発性単純性肝・腎囊胞が併発した1症例
書誌事項
- タイトル別名
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- Coexistence of Multiple Simple Hepatic and Renal Cysts and Aortic Dissection
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説明
<p>われわれは,多発性単純性肝囊胞と多発性単純性腎囊胞両方に偽腔開存型Stanford A型急性大動脈解離(上行大動脈にtearを認めず,SVS/STS分類でB(0, 11))を合併したまれな症例を経験した.解離発症時に脳梗塞も併発していて体外循環は禁忌と考え,遠位弓部大動脈の一次エントリーを閉鎖するために,胸部ステントグラフト内挿入術を行った.当科で2022年1月から2023年12月までの2年間に,Stanford A型急性大動脈解離に対して手術を行った45例の中で常染色体優性多発性囊胞腎合併例はなく,単純性腎囊胞合併は14例(31.1%)・単純性肝囊胞合併は11例(24.4%)・少なくともどちらかの合併は20例(44.4%)・両方の合併は5例(11.1%)・多発性単純性肝囊胞と多発性単純性腎囊胞両方の合併は1例(2.2%)であった.単純性肝囊胞・単純性腎囊胞・大動脈解離の共通した病因としてマトリックスメタロプロテアーゼの関与が示唆されているが,今後のさらなる研究が待たれる.</p>
収録刊行物
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- 日本血管外科学会雑誌
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日本血管外科学会雑誌 33 (4), 185-190, 2024-07-12
特定非営利活動法人 日本血管外科学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390019313763299840
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- ISSN
- 1881767X
- 09186778
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可