感染症予防のための各種マスクの着用が熱中症リスクおよび温熱的快適性に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Wearing Masks to Prevent Infection on Heat Disorder Risk and Thermal Comfort
  • カンセンショウ ヨボウ ノ タメ ノ カクシュ マスク ノ チャクヨウ ガ ネッチュウショウ リスク オヨビ オンネツテキ カイテキセイ ニ オヨボス エイキョウ

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説明

<p> 本研究では, 暑熱環境下での中程度運動時のマスク着用による熱中症リスクと快適性の評価をするため, 感染症予防対策として使用されている3種のマスクを対象とし, 人工気候室での被験者実験を行った. 加えて, 各種マスクの素材物性評価および温熱的快適性に関わる性能評価を実施した. 耳内温の結果より, いずれも熱中症の重症度に値する基準値を超えることはなく, 重大な熱中症を引き起こすリスクは低いことが明らかとなった. ウレタン立体マスク (PT) は平均皮膚温や息苦しさで有意に低値を示したが, 粒子捕集効率が5 %程度と感染症予防効果が非常に低い結果となった. さらに, 運動後の濡れによる不快感が増すことが示唆された. プリーツナノファイバー不織布マスク (NF) は粒子捕集効率が90%以上あり, マスク内温度や不快感も有意に低値となった. N95型立体不織布マスク (3 M) は通気抵抗が大きく, 粒子捕集効率が99%以上と非常に高い値を示したが, このことが息苦しさを感じさせ, 総合的に不快感が強い結果につながることが明らかとなった. これらの結果から, 暑熱環境下での中程度運動時のマスク着用については, 感染症予防と快適性の観点から, NFが最適であることが分かった.</p>

収録刊行物

  • 日本家政学会誌

    日本家政学会誌 75 (7), 300-312, 2024

    一般社団法人 日本家政学会

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