木版画にみる東京の風景 : Visual Artの都市地理学

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タイトル別名
  • The Tokyo Landscape in Woodblock Prints : Urban Geography in Visual Art

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説明

木版による浮世絵風景画は,日本における伝統的な都市空間のアート化の事例であり,人々のなかに共有された都市風景の姿でもあった。本研究では,明治末期頃から昭和戦前期における木版画再興期にみる東京の風景の特徴を取り上げ,当時の人々による都市空間のアート化の社会的意義について再考することを目的とした。東京の人々にとって,関東大震災によるダメージは大きく,震災後の復興過程において,美しい「江戸/東京」風景の生産はさらに活発になる。その際,「復興/開発」の象徴としての「大東京」の風景が写される一方で,「変わらぬ日常」として伝統的な江戸の「自然」が画家によって描かれた。印刷メディアとしては衰退したものの,Visual artとしての木版風景画が海外へ展開していくと,観衆・購入者である西洋人に好まれる「江戸/東京」の風景が,版元や作者によって意識的に生産され流通し,江戸以来の変わらぬ自然豊かな東京風景が流布していくこととなった。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390019667898722560
  • NII書誌ID
    AN00226157
  • DOI
    10.15002/00030889
  • HANDLE
    10114/00030889
  • ISSN
    04412486
  • 本文言語コード
    ja
  • 資料種別
    departmental bulletin paper
  • データソース種別
    • JaLC
    • IRDB
    • KAKEN
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用可

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