小児術中輸液管理の最新動向
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- 岡口 千夏
- 地方独立行政法人大阪府立病院機構大阪母子医療センター麻酔科
Description
<p> 術中にかかわらず輸液の目的は組織灌流を維持することであり, そのためには成人と異なる小児の体液分布など生理学的事項を知る必要がある. 小児の代謝は未熟であることが多く容易に過少・過剰輸液になり, 医原性低ナトリウム血症, 高ナトリウム血症など有害事象が起こる可能性がある. また術中は術前絶飲食により低血糖の可能性もあるため注意しなければならない. 術中輸液に関しては成人と同様に維持輸液と補充輸液の考え方は大きな変化はないものの, 近年では外科要因として, 内視鏡手術・ロボット支援下手術の増加, 麻酔要因としては神経ブロックなどマルチモーダルな疼痛管理, レミマゾラムなど新しい薬剤の使用など, 循環管理に影響を及ぼす因子が変化しているため個々の症例に応じた対応がより求められるようになっている. 術中は必要に応じたモニタリングを行い, 術野・患児の状態をその都度評価し, 輸液製剤や投与速度の調整を適切に行う必要がある. </p>
Journal
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- The Japanese Journal of SURGICAL METABOLISM and NUTRITION
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The Japanese Journal of SURGICAL METABOLISM and NUTRITION 58 (4), 119-123, 2024-08-15
JAPANESE SOCIETY for SURGICAL METABOLISM and NUTRITION
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Details 詳細情報について
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- CRID
- 1390020054941572352
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- ISSN
- 21875154
- 03895564
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- Text Lang
- ja
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- Data Source
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- JaLC
- Crossref
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- Abstract License Flag
- Disallowed