右優位型意味性認知症の症候学
書誌事項
- タイトル別名
-
- Symptoms and classification of right-dominant semantic dementia
- ~意味記憶障害を中心に~
説明
<p>右優位型意味性認知症(右SD)の症候とその分類について症候学的に考察した.右側頭葉には,相貌認知を代表とする視覚性意味記憶と,情動認知や社会認知に関わる機能が局在する.一方,左側頭葉には言語性意味記憶と関連する機能が局在する.そのため,右側頭葉から萎縮が始まる右SDでは,相貌同定障害や共感性欠如などの人格行動障害が先行し,脳萎縮が左側に及ぶと言語性意味記憶障害が顕在化する.逆に,左側頭葉から萎縮が始まる左優位型意味性認知症(左SD)は,意味型進行性失語が先行し,遅れて視覚性意味記憶障害や行動障害が出現する.両者の症候の差は,左右側頭葉の機能の違いにより,各症候が出現する順番が異なるだけとみなすことができる.したがって,右SDと左SDを別々の疾患と捉えるよりも,意味記憶障害と人格行動障害を主症状とする側頭葉型FTDとして一元的に捉えるべきである.</p>
収録刊行物
-
- 神経心理学
-
神経心理学 40 (3), 177-186, 2024-09-25
日本神経心理学会
- Tweet
キーワード
詳細情報 詳細情報について
-
- CRID
- 1390020397612525056
-
- ISSN
- 21899401
- 09111085
-
- 本文言語コード
- ja
-
- データソース種別
-
- JaLC
-
- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可