膣内異物による膀胱腟瘻:症例報告

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<p>症例・11歳女児</p> <p>9ヶ月前より悪臭帯下と局所の疼痛あり、5か所の泌尿器科並びに婦人科受診を経て当科紹介初診した。腟内にプラスチック製の異物がはまり込んで、外来にては抜去困難であったため、緊急入院し、全身麻酔下に異物抜去した。異物抜去前に、膀胱留置カテーテルが、瘻孔を経由して腟内に入ってくることが判明した。異物挿入に関し、家族の供述より性虐待の疑いあり、本人と家族の了承のもと児童相談所に通報し、保護を依頼するとともに、局所の炎症治癒後に瘻孔閉鎖を予定した。4ヶ月後に再入院し、経腟的膀胱腟瘻閉鎖術施行した。術後13日後に膀胱造影検査で瘻孔閉鎖されていることを確認した。しかし、膀胱容量が小さく、尿道口からの尿失禁はあり、尿意もはっきりしない状態で、術後25日目に退院した。腟内異物では治療の遅れによって、重篤な後遺症をきたす報告が多く、小児であっても内診や腟鏡診を躊躇すべきでない。</p>

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