生活習慣病患者の心拍変動の非ガウス性と心臓拡張機能障害の関連性の解析

  • 岡田 時明
    関西学院大学大学院 理工学研究科
  • 角谷 学
    兵庫医科大学 医学部 糖尿病内分泌・免疫内科学講座
  • 小山 英則
    兵庫医科大学 医学部 糖尿病内分泌・免疫内科学講座
  • 吉野 公三
    関西学院大学大学院 理工学研究科

説明

<p>生活習慣病は心疾患を発症させる危険因子である.約半数の心不全患者の左室駆出率は保たれており左室拡張機能障害が主因となる.これまでに,副交感神経活動指標である心拍変動のHF帯域パワーと左室拡張能指標である心エコー検査のE/e’との間に負の相関があることが報告されたが,心臓交感神経活動との関連性は不明である.本研究では,慢性的な心臓交感神経活動の亢進を表す指標として提案された25秒スケールで粗視化した心拍変動の非ガウス性指標λ25secと心臓拡張機能障害との間の関連性を明らかにすることを目的とした.高血圧や糖尿病等の心血管危険因子を1つ以上持つ生活習慣病患者274名から計測した24時間長のRR間隔時系列を25秒スケールで粗視化し,その絶対0.25次モーメントを相乗対数正規過程の理論式に代入することにより,λ25secを算出した.追跡開始時の心拍変動のλ25secと追跡期間中のE/e’の変化量との間の相関性を臨床特性等で調整した重回帰モデルで解析した.その結果,追跡開始から1,2,4年後のE/e’の変化量とλ25secが統計的有意な正の相関を示した.さらに,変数選択の結果,λ25secは最適モデルで選択され,1,2年後のE/e’の変化量と統計的有意な正の相関を示した.以上より,心臓交感神経活動の亢進は1~2年後の心室拡張能の悪化と関連する可能性が示唆された.</p>

収録刊行物

  • 生体医工学

    生体医工学 Annual62 (Abstract), 174_2-174_2, 2024

    公益社団法人 日本生体医工学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390020474931437568
  • DOI
    10.11239/jsmbe.annual62.174_2
  • ISSN
    18814379
    1347443X
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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