肥満症における心身相関

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タイトル別名
  • Psychosomatic Correlates in Obesity
  • ヒマンショウ ニ オケル シンシン ソウカン

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説明

<p>肥満症は,遺伝的,環境的,生理生化学的,および心理社会的・行動的要因の相互作用から生じる複雑な多因子疾患であるとみなされている.肥満症は身体疾患であるが,その発症と経過において心理社会的因子の関与が少なからずみられるため,典型的な心身症といっても過言ではない.実際,肥満症は,食行動を含む生活習慣が深く関与し,特に食行動は日常生活のストレスの影響が大きい.またうつ病,不安障害,摂食障害,睡眠障害などの精神疾患が併存する割合も高い.最近では,肥満者に対する偏見や差別(オベシティスティグマ)が肥満自体よりも,メンタルヘルスにとって悪影響を及ぼすことがわかってきている.したがって,肥満症においては,身体的側面のみならず心理社会的側面の評価とともに,両者の相互関係,すなわち心身相関への理解が不可欠となる.また肥満症の治療に当たっても心身両面からのアプローチが欠かせない.</p>

収録刊行物

  • 心身医学

    心身医学 64 (6), 516-525, 2024

    一般社団法人 日本心身医学会

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