書誌事項
- タイトル別名
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- A CASE OF CASHEW NUT-RELATED CITRUS SEED ALLERGY WITH SUSPECTED CITRIN INVOLVEMENT
- ―柑橘類種子アレルギーの1例
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説明
<p>近年カシューナッツ関連ペクチンアレルギーの報告が散見されるが,2023年に柑橘類の種子に含まれるシトリン(citrin)が新規アレルゲンとして同定され,ペクチンに混入したシトリンが真の原因抗原であるという仮説が提唱された.</p><p>症例は12歳女子.幼児期からカシューナッツアレルギーがあり,柑橘類由来ペクチンを含むグミの摂取後に咽頭痛を,柚子の種や果皮を含むゼリーの摂取後に咽頭痛,嘔気,重度の腹痛を認めた.皮膚プリックテストは柚子の種子と内果皮,レモンの種子,柑橘類/リンゴ由来ペクチン粉末が陽性で,好塩基球活性化試験は柑橘類/リンゴ由来ペクチン粉末が陽性だった.食物経口負荷試験では,柚子を丸ごと含むゼリー,レモンの種子で重度の腹痛,嘔吐を認め,柑橘類由来ペクチン粉末で軽度の咽頭痛を認めた.</p><p>当初はカシューナッツ関連ペクチンアレルギーが疑われたが,精査により柑橘類種子アレルギーと診断し,新規アレルゲンのシトリンの関与が疑われた.ペクチンアレルギーが疑われる症例には,柑橘類の種子についての精査も必要である.</p>
収録刊行物
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- アレルギー
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アレルギー 73 (9), 1163-1167, 2024
一般社団法人 日本アレルギー学会