オランザピン併用により,診断に難渋したトラマドールによるセロトニン症候群の1例

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タイトル別名
  • A case report: Serotonin syndrome induced by tramadol, which was difficult to diagnose due to the combined use of olanzapine

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説明

<p>セロトニン作動薬使用の拡大により,セロトニン症候群の報告は増加している。今回,われわれはオランザピンとserotonin-noradrenaline re-uptake inhibitor(SNRI)作用を有するトラマドール併用により,診断に難渋したセロトニン症候群を呈した症例を経験した。診断に難渋した原因としては,①精神科領域ではトラマドールがSNRI作用を有しているとの認識が乏しいこと,②当初Hunterの診断基準ではなく,Sternbachの診断基準を用いてセロトニン症候群の判定を行ったこと,③オランザピンによりセロトニン症候群の発熱などの交感神経症状が抑制されていたこと,があげられる。精神科領域ではセロトニン作動薬は広く使用されている。そのため精神科医はセロトニン症候群の診断基準,病因仮説,治療法だけでなく,他の領域で使用されるセロトニン作動薬についてもその知識を有しておくべきである。</p>

収録刊行物

  • 総合病院精神医学

    総合病院精神医学 34 (2), 169-174, 2022-04-15

    一般社団法人 日本総合病院精神医学会

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