新型コロナウイルスワクチン接種後に多形紅斑を発症した 1 例

書誌事項

タイトル別名
  • A Case of Erythema Multiforme Following COVID-19 Vaccination
  • シンガタ コロナウイルスワクチン セッシュ ゴ ニ タケイコウ ハン オ ハッショウ シタ 1レイ

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説明

<p>70 代,女性。新型コロナウイルスワクチン 6 回目の接種後翌日から接種部位を中心に滲出性紅斑が出現した。皮疹は一部標的状を呈し融合傾向のある紅斑からなり,次第に顔面を含むほぼ全身に拡大した。ステロイド外用と抗ヒスタミン薬内服の処方を行うも,38℃以上の発熱と前腕に水疱形成を認めた。多形紅斑と診断し,ステロイド全身投与を追加した。皮膚症状は改善し,再燃なく経過した。新型コロナウイルスワクチン接種後に発症する皮膚症状の多くは蕁麻疹や接種部位反応などの即時型反応で,多形紅斑の報告は少ない。自験例での DLST は新型コロナウイルスワクチン残薬で陰性,内服薬 2 種(トリパミド,アセトアミノフェン)で陽性を示した。DLST は結果の解釈が困難で,陰性のみを理由に因果関係は否定できず,自験例では接種部位を中心に滲出性紅斑が出現したことを重視して,ワクチン接種が関与している可能性が高いと判断した。新型コロナウイルスワクチンの副反応の病態解析には,症例蓄積と今後のさらなる研究が必要である。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 86 (6), 571-574, 2024-12-01

    日本皮膚科学会西部支部

参考文献 (8)*注記

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