豚熱対策における狩猟者および捕獲従事者への防疫措置に関する周知状況の把握と対策における課題の整理

  • 遠藤 友彦
    国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構畜産研究部門 国立研究開発法人 国立環境研究所生物多様性領域
  • 平田 滋樹
    国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構畜産研究部門
  • 早山 陽子
    国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究部門
  • 山本 健久
    国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構動物衛生研究部門
  • 永田 知史
    農林水産省 消費・安全局動物衛生課

書誌事項

タイトル別名
  • Assessing the Status of Information Provision and Issues in the Application of Biosecurity Measures for Wild Boar Hunters in Classical Swine Fever Prevention
  • ブタ ネツ タイサク ニ オケル シュリョウシャ オヨビ ホカク ジュウジシャ エ ノ ボウエキ ソチ ニ カンスル シュウチ ジョウキョウ ノ ハアク ト タイサク ニ オケル カダイ ノ セイリ

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説明

<p>豚熱対策におけるイノシシの捕獲では,捕獲者を介した感染拡大のリスクが伴うため,行政から防疫措置の周知が行われている.しかし,捕獲作業時の防疫措置の周知状況やこれらを含む豚熱対策の課題について整理した事例はない.本研究では全国の都府県に対しアンケート調査を実施し,捕獲者への防疫措置の周知状況の把握と豚熱対策における課題整理を行った.アンケートの回答結果をもとに階層クラスター分析を行った結果,対策の取り組み状況が積極的,中程度,消極的の3つのクラスターに類別された.全体的に防疫措置の周知はチラシやポスターにより実施されており,衛生講習等は捕獲者が集う既存の学習会に併せて開催されていた.さらに,捕獲者への具体的な防疫措置について,靴や車両の洗浄・消毒など作業負担の少ない項目は周知されやすい一方で,手袋や防護服の着用など追加の作業負担を要し,物資調達など財政支援が必要な防疫措置は周知されにくいことが明らかとなった.これについては,学習会など行政側が普及啓発し易い環境の創出と,財政支援の体制整備を行い,周知向上を図る必要がある.また,対策の課題としては,いずれのクラスターでも関係部局・機関との連携体制が課題に挙がる一方で,各クラスターに特有の課題もみられた.これらについては,関係部局間での横断的な連携体制を整え,地域特性を考慮した豚熱対策を講じる必要があると考えられた.</p>

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参考文献 (8)*注記

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