三元系正極材料とリン酸マンガン鉄リチウムの混合系において,各活物質が正極の電気化学的特性に与える影響

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  • The Effects of Lithium Nickel Manganese Cobalt Oxides and Lithium Iron Manganese Phosphate as Cathode Materials on The Electrochemical Performance of Blended Cathodes in Lithi um-ion Batteries

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異なる化学的組成を持つ3種の三元系正極材料LiNixMnyCozO2 (NMCs) としてLiNi0.5Mn0.3Co0.2O2 (NMC532),LiNi0.6Mn0.2Co0.2O2 (NMC622),LiNi0.8Mn0.1Co0.1O2 (NMC811),水熱法により合成したリン酸マンガン鉄リチウムとしてLiMn0.7Fe0.3PO4/C(LMFP)を用いて,混合正極(NMC532/LMFP,NMC622/LMFP,NMC811/LMFP)を作製し,その電気化学的特性の変化について検討した.NMC811/LMFPはNMC532/LMFPおよびNMC622/LMFPと比較して放電容量および質量エネル ギー密度が大きくなった.また,NMC532/LMFPおよびNMC622/LMFPの混合電極においては,LMFP混合比率が10および20%の場合には,放電容量と質量エネルギー密度はそれぞれNMC532,NMC622と同等の値を示した.レート特性については,NMC532/LMFP混合電極ではLMFP混合比率が30%の時に最も高い値を示し,NMC622/LMFPおよびNMC811/LMFPの混合電極ではLMFP混合比率に関わらずほぼ一定であった.以上のように,NMC/LMFP混合正極において高い電池特性を得られるNMCとLMFPの混合比率は,用いたNMCの化学的組成や物理的キャラクターにより大きく変化した.この結果は,NMCの物理的および電気化学的特性の違いが,NMC/LMFP混合正極の電気化学的特性に大きな影響を与えることを示唆している.

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