膝関節位置の違いが近位脛腓関節に与える影響

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  • ~超音波三次元動作解析システムを用いた検討~

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説明

【目的】 健常成人において膝関節位置を変化させたときの脛骨粗面 と腓骨頭の直線距離の変化から、近位脛腓関節の動態を把握 することを目的とした。 【方法】 対象は、本研究の主旨を説明し同意を得た整形疾患のない 健常成人22名(男性10名、女性12名、年齢29.1±5.29歳、身 長163±6.69cm、体重57.4±10.9kg)44肢とした。超音波三次 元動作解析システム(zebris社製CMS-20S、Winspine Pointer) を使用し、端座位で骨盤前後傾中間位、足底全接地にて 膝中間位(Knee-Neutral以下、KN)、膝最大内方位(Knee-In 以下、KI)、膝最大外方位(Knee-Out以下、KO)の3条件を 計測した。計測部位は脛骨粗面、腓骨頭外側突出部を各2回 計測し平均値を得た。脛骨粗面と腓骨頭の直線距離(以下、 脛腓距離)を求め、脛骨粗面レベルの周径で正規化した。統 計学的処理は、3条件の脛腓距離に対して一元配置分散分析 反復測定後、多重比較検定(Bonferroni法)で群間比較を実 施し、危険率1%未満とした。 【結果】 脛腓距離は、KNが67.05±5.12mm(21.0±1.7%)、KIが65.81 ±5.27mm(20.6±0.2 %)、KOが66.91±5.85mm(20.9±1.7%) であり、KNに比べKIの脛腓距離は有意に減少した(p<0.01)。 【考察】 脛腓距離はKNと比べてKIが有意に減少するという結果が 得られた。近位脛腓関節の脛骨関節面は後・下・外側を向き、 腓骨頭は前外側から後内側へ関節運動を起こすものと考えら れる。KIでは、腓骨頭が後内側へ動き脛骨粗面との直線距離 が減少するものと推察する。脛骨に対する腓骨頭の位置変化 が、回旋によるものか並進運動によるものかは不明である が、膝関節位置により近位脛腓関節のアライメントが変化す ることが示唆される。

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390021481776995968
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.33.0_p-012
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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