理学療法学生の地域実習における学びの特徴

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  • -実習レポートの計量テキスト分析から-

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【はじめに,目的】 理学療法士養成校において,通所リハビリテーション又は訪問リ ハビリテーションに関する実習(以下,地域実習)が必須化された. 理学療法学教育モデル・コア・カリキュラムにおける地域実習の目 標は「地域理学療法の場面での経験を通して,地域包括ケアシス テムにおける理学療法士の役割を理解し,地域包括ケアシステム に関与する関連専門職の役割を理解すること」であり,学生が得 る経験が他の臨床実習と異なると考えられる.そこで本研究では, 学生の実習後のレポート内容を分析し,地域実習における学修成 果を明らかにすることを目的とした. 【方法】 対象は,理学療法士作業療法士学校養成指定規則改正の適応後 に入学し,地域実習まで終えた61名とし,1 ~ 4年次の各臨床実 習の終了時に課したレポートを分析データとした.レポートのテー マは全ての実習で共通しており,「臨床実習で経験した理学療法士 の業務・周辺業務について(以下,PT業務)」,「自分の目指す理学 療法士像(以下,目指すPT像)」であった.分析はKH Coder 3を 用い,地域実習におけるPT業務のレポートについて階層的クラス ター分析を実施した.また,目指すPT像のレポートについて実習 種類(見学,検査測定,評価,総合,地域)を外部変数とした対応 分析を実施し,地域実習に特徴的な出現語を検討した. 【倫理的配慮,説明と同意】 本研究は筆頭演者が所属する施設の研究倫理審査委員会にて承 認を受けた(2023-008). 【結果】 学生は地域実習におけるPT業務として,「情報共有」「関連職種や家 族との連携」「身体機能の維持向上」「集団体操」「生活環境の整備」 「訪問リハビリ」「介助方法の指導」「通所リハビリにおけるトレーニ ング」「バイタル確認や送迎などの周辺業務」を経験していた.また, 目指すPT像に関する分析において,対応分析の結果,地域実習で は「地域」「生活」「環境」「向上」「社会」「自宅」などが特徴的な出現語 として示された. 【考察】 学生は,地域実習において集団体操や訪問リハビリ,関連職種と の連携などの地域理学療法に欠かせない業務を経験していた.理 学療法のプロセスや実践を学ぶことを目標とするその他の臨床実 習と異なる体験をできていたと考えられる.また,それらの経験 をすることで,在宅生活を送る対象者の支援について学修できた と考えられた.

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  • CRID
    1390021481777199488
  • DOI
    10.14901/ptkanbloc.43.0_90
  • ISSN
    2187123X
    09169946
  • Text Lang
    ja
  • Data Source
    • JaLC
  • Abstract License Flag
    Disallowed

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