オンライン日中交流会における中国人学生の調整行動と日本語の習得過程 : 参加調整ストラテジーの使用の観点から

書誌事項

タイトル別名
  • A Chinese Student's Adjustment Behaviors and the Process of Japanese Language Acquisition During Online Conversation Sessions: The Use of Participation Adjustment Strategies

説明

オンライン日中交流会を通して,日本語初級前半の中国人学生が日本人学生と会話を重ねる中で,どのような調整行動を行い,日本語を習得していったのかについて,会話例をもとに分析を行った。分析の結果,交流会の会話に繰り返し参加することで,中国人学生が前回の会話上の問題を踏まえて,事前・事中・事後調整の参加調整ストラテジーを用い,回を重ねるごとに日本語の発音や語彙・文法の習得を促進させている様子が見られた。ここから,日本語授業で習ったことを交流会等において繰り返し実際に使ってみる機会を設けることの有効性を指摘した。 一方で,会話の回数を重ねても,文法や文体,ある特定の地名の発音等の問題が改善されず,同様の参加調整ストラテジーを使用しつづけている様子も見られた。また,意味論的な縮小や話題全体の回避といった話す内容が充実させられないという問題が残っていることも観察された。これらの問題の調整が学習者だけで行えない場合は,会話相手や日本語教師が事前・事中・事後に調整することも必要である点を指摘した。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ