高エストロゲン症状を呈した卵巣粘液性囊胞腺腫の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of ovarian mucinous cystadenoma with hypoestrogenic symptoms

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説明

症例は82歳,3妊2産.約1カ月前からの断続的な不正出血を主訴に近医を受診し,精査目的に当科紹介となった.経膣超音波検査で右卵巣に50 mm×18 mmの多房性囊胞性病変を認めた.乳房の張りを自覚しており,MRI画像では52 mm大の充実性腫瘍を認めた.エストラジオール(E2)を測定したところ39.6 pg/mLと年齢に比して高値を示した.顆粒膜細胞腫の疑いで,腹式子宮全摘出術および両側卵管卵巣摘出術を施行した.術後病理検査で右卵巣粘液性囊胞腺腫と診断された.術後2週間の採血で血中E2値が5 pg/mL未満と測定感度以下に低下したため,卵巣腫瘍による高エストロゲン血症であったと診断した.粘液性囊胞腺腫は表層上皮性・間質性腫瘍に分類される卵巣腫瘍であり,一般的にはステロイドホルモンを産生しない腫瘍とされているが,実際には非性索間質性腫瘍,とくに粘液性腫瘍がエストロゲン産生に関与しているとの報告がこれまでも複数ある.今回,粘液性囊胞腺腫による高エストロゲン血症の1例を経験したため,文献的考察を加え報告する.〔産婦の進歩77(1),53-58,2025(令和7年2月)〕

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390021558788503680
  • DOI
    10.11437/sanpunosinpo.77.53
  • ISSN
    13476742
    03708446
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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