縦隔腫瘍と鑑別を要した肋骨軟骨肉腫の1例

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タイトル別名
  • A case of chondrosarcoma of rib requiring differentiation from mediastinal tumor invasion of chest wall

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説明

<p>症例は49歳,女性.2年前から左前胸部に硬結を自覚し,次第に同部位に疼痛を生じるようになり,近医整形外科を受診した.検査の結果,前縦隔腫瘍が疑われ,当院呼吸器外科へ紹介された.胸部CT検査で内部に石灰化を伴い心臓を高度に圧排する13.5 cmの腫瘤を認め,一部は皮下まで進展していた.腫瘍の辺縁は明瞭で周囲組織への浸潤像は認めなかった.MRI検査では,腫瘤はT2強調画像で内部不均一な高信号を呈していた.超音波ガイド下針生検で軟骨成分が採取され,軟骨系腫瘍が示唆された.鑑別として低異型度の軟骨肉腫が挙げられた.手術は腫瘍摘出術(腫瘍及び周囲の軟部組織と,第5,6,7肋骨及び肋軟骨を一塊にして切除)を行い,切除部の胸壁再建を行った.組織学的に腫瘍は軟骨肉腫grade 1と診断された.本症例では腫瘍は肋骨から発生し,皮下よりも縦隔,胸腔への進展が顕著であり,縦隔腫瘍の胸壁浸潤との鑑別を要した.</p>

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