ビタミンB1およびB12製剤投与中のアルコール依存症患者に発症した皮膚症状を欠くペラグラ脳症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Pellagra encephalopathy without dermatological manifestations in an alcoholic patient post vitamin B1 and B12 treatment

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説明

<p>ビタミン欠乏性ニューロパチーのためビタミンB1,B12製剤を投与中に,皮膚症状を欠いたペラグラ脳症を発症したアルコール依存症患者の1例を経験したため報告する。</p><p>43歳女性。対人や仕事のストレスから連日にわたり多量飲酒するようになり,ビタミン欠乏性ニューロパチーと診断され,ビタミンB1,B12製剤を約1年間内服していた。入院数カ月前から消化器症状や,呂律困難が出現し,入院前日には幻覚妄想,見当識障害,歩行障害など呈し,入院となった。ニコチン酸アミドを含む複合ビタミン製剤の投与にて,速やかに消化器症状,意識障害は改善を認めたが,神経症状や認知機能低下は一部残存した。血中ナイアシン値は3.3μg/mlと低値であり,皮膚症状を欠くもののペラグラ脳症と診断した。</p><p>アルコール依存症に関連するペラグラでは皮膚症状を欠く場合が多いと指摘され,ペラグラ脳症はアルコール依存症の治療に際し,見逃しに注意が必要な疾患と考えられた。</p>

収録刊行物

  • 総合病院精神医学

    総合病院精神医学 37 (1), 45-51, 2025-01-15

    一般社団法人 日本総合病院精神医学会

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390022178087677056
  • DOI
    10.11258/jjghp.37.45
  • ISSN
    21864810
    09155872
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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