当院における腹腔鏡下ドナー肝切除の成績

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説明

<p>【はじめに】2022年4月に生体肝移植における外側区域グラフト採取に対して腹腔鏡下肝ドナー手術が保険収載となった。当院での腹腔鏡下生体肝ドナーグラフト採取術について報告する。【対象】2023年2月より腹腔鏡下肝外側区域グラフト採取術を導入。これまで11症例に施行した。【手術手技】臍部にOpen法でポート留置、4本の操作用ポート、Pringle法用ポート1本、通常気腹。左葉脱転、左グリソンをテーピング(アランチウス腹側)、Pringle法下で肝離断し、左肝静脈のテーピングを行う。肝門操作に移り、左肝動脈、門脈左枝をテーピング後、アランチウス管の剥離を行い、引き算法にて左胆管+肝門板をテーピング。胆道造影後に、左胆管、肝門板を切離。下腹部に約8cmの切開を加えた後、ヘパリン投与下に左肝動脈、門脈左枝、左肝静脈を切離し、グラフト採取。【結果】平均ドナー年齢35.8歳、男性3例、女性8例。5例でS3領域のreduce hepatectomyを行った。平均手術時間372分、平均出血量119分、温虚血開始までの平均時間243分、平均温虚血時間8.9分。術後平均在院日数8.9日で合併症は認めなかった。【結論】安全に腹腔鏡下生体肝ドナーグラフト採取術を施行した。今後は症例を蓄積し、その有用性について検証を行う必要がある。</p>

収録刊行物

  • 移植

    移植 59 (Supplement), s253_1-s253_1, 2024

    一般社団法人 日本移植学会

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