高ビーライトセメントコンクリートの流動性に及ぼすナフタレンスルホン酸系高性能減水剤およびポリカルボン酸系高性能AE減水剤の影響

  • 山田 一夫
    佐倉研究所 セメント化学グループ 主任研究員
  • 羽原 俊祐
    佐倉研究所 セメント化学グループ リーダー
  • 本間 健一
    佐倉研究所 混合セメントグループ 研究員

書誌事項

タイトル別名
  • Effects of Naphthalene Sulfonate-type and Polycarboxylate-type Superplasticizers on the Fluidity of Belite-rich Cement Concrete

この論文をさがす

説明

高ビーライトセメント(BRC)は自己充填コンクリートのような高流動性コンクリートに適していると考えられている.本研究では,なぜBRCが高流動性コンクリートに適しているのか検討した.二種類のセメント,普通ポルトランドセメントNPCとBRC,および二種類の減水剤,β-ナフタレンスルホン酸系減水剤NSとポリカルボン酸系減水剤PCを用いた流動性試験を基に減水剤の流動化機構を解析した.<br> 添加量をNSでは0.48mass%,PCでは0.20mass%とした場合,NPCペーストでは流動性は同じとなった.しかし,NSを用いるとBRCはNPCよりも低い流動性となり,PCを用いるとBRCはNPCよりも高い流動性となった.<br> 硫酸イオンがPCのセメント粒子への吸着を減少させた.このことにより,PCを用いた場合,低硫酸アルカリ量のBRCペーストで,硫酸アルカリ量がより多いNPCペーストよりも高い流動性となった.NSの場合には,NSがペーストの比表面積をPCよりも大きくする傾向にあり,かつPCよりも分散効力が低いために,PCと同等の流動性を得るにはより多量の添加が必要であった.NSは硫酸イオンと競争的にC3A上に収着するため,ペーストの流動性を高くするには硫酸塩量の最適値(Na2SO4で0.9mass%)がある.BRCは硫酸アルカリ量が0.28mass%とより少なく,NPCでは0.96mass%とより多いために,NS添加BRCペーストは,NPCペーストよりもより低い流動性を示した.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ