沖縄島のコックピットにおける石灰岩の溶食速度と表面形状の変化

書誌事項

タイトル別名
  • Solution Rate and Surface form of Limestone Tablets in Cockpit, Okinawa Island, Japan

説明

本研究では、沖縄島本部半島山里の円錐カルストが分布する地域において、溶食凹地であるコックピット内の3地点(空中と土層内)に4種の石灰岩タブレットを設置し、石灰岩の溶食速度を計測するための野外実験を実施した。用いた岩種は、本部半島の本部層石灰岩、石垣島星野の宮良層石灰岩、石灰藻球を主体とする琉球層群石灰岩、粟石と呼ばれる有孔虫を主体とする琉球層群石灰岩の計4種である。計984日間の野外実験を行った結果、石灰岩の溶食速度は、空中に比べて土層中の石灰岩が約4~15倍速く溶けることが分かり、その速さは岩種の違いや埋設地点の土壌水分の影響を受けることが推察された。また、3Dレーザ顕微鏡を用いて実験後の岩石表面を観察した結果、緻密な本部石灰岩や星野石灰岩、石灰藻球石灰岩では、岩石中の微細な亀裂や化石の形状に沿って溶食が進行し、空隙が最も多い粟石石灰岩においては、粒子欠損により凹凸を増しながら溶食が進行することが明らかとなった。

収録刊行物

  • 地理歴史人類学論集

    地理歴史人類学論集 (14), 87-93, 2025-03-31

    琉球大学国際地域創造学部地域文化科学プログラム

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