VF stormに対してペーシングとアブレーションが有効であった心筋梗塞, 低左心機能, 左室心尖部血栓の 1例

  • 大沼 善正
    昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門
  • 丹野 郁
    昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門
  • 塚本 茂人
    昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門
  • 千葉 雄太
    昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門
  • 大西 克実
    昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門
  • 川崎 志郎
    昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門
  • 宗次 裕美
    昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門
  • 菊地 美和
    昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門
  • 伊藤 啓之
    昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門
  • 小貫 龍也
    昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門
  • 三好 史人
    昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門
  • 箕浦 慶乃
    昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門
  • 渡辺 則和
    昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門
  • 安達 太郎
    昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門
  • 浅野 拓
    昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門
  • 小林 洋一
    昭和大学医学部内科学講座循環器内科学部門

書誌事項

タイトル別名
  • Effectiveness of catheter ablation and RV pacing of VF storm in a patient with myocardial infarction, reduced LV ejection fraction and left ventricular thrombi

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説明

症例は62歳, 男性. 先行する上気道症状に続く全身倦怠感を主訴として当院受診した. 心電図でⅡ, Ⅲ, aVFのST低下を認めたため, 急性下壁梗塞の診断で緊急心臓カテーテル検査を行った. 右冠動脈 seg 2が完全閉塞しており, 同部位に対し冠動脈ステント留置術を施行した. 来院時の心エコーでは左室心尖部血栓と全周性に左室壁運動低下 (LVEF 27 %) を認めていた. 入院後第 4病日VFとなり, DCで洞調律へ復帰した. 第10病日トイレに向かう途中心肺停止となり, VF stormによる血圧低下を来したため, IABPを挿入し, 人工呼吸器管理となった. 抗不整脈薬は無効であり, VF停止後に徐脈となるため, 体外式ペースメーカーを挿入した. ペーシングによりVF stormは抑制されるものの, リードのdislodgementが頻回であり, 第12病日ICD植え込み術を行った. 右室ペーシングによりVFは減少したが完全には抑制できず, 第13病日VFに対して緊急カテーテルアブレーションを施行した. 右脚ブロック, 上方軸のVPCがVFのトリガーとなっていたため, VPC起源と考えられた左室後壁基部領域をアブレーションしたところVFは抑制された. 術後ICD作動はなくなったが, 多臓器不全により第24病日死亡確認となった.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 45 (SUPPL.2), S2_69-S2_75, 2013

    公益財団法人 日本心臓財団

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