再入院を繰り返す高齢者心不全に対する低用量バソプレシンV2受容体拮抗薬トルバプタンの有用性

  • 関 年雅
    国立病院機構まつもと医療センター松本病院循環器科
  • 矢崎 善一
    国立病院機構まつもと医療センター松本病院循環器科
  • 堀込 充章
    国立病院機構まつもと医療センター松本病院循環器科
  • 池田 宇一
    信州大学医学部循環器内科

書誌事項

タイトル別名
  • Efficacy of vasopressin-V2 receptor blockade tolvaptan for heart failure patients requiring repetitive hospitaliaztion

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説明

2011年1~3月の間に当院に入院した非代償性心不全患者で, これまでに3回以上の心不全入院歴があるか, または強心薬依存状態でフロセミド40mg/日相当以上, あるいは複数の利尿薬を内服していた65歳以上の高齢者心不全増悪症例計18例 (平均81歳) に対するバソプレシンV2受容体, トルバプタンの有用性を検討した. トルバプタンの経口投与開始24時間後には, 尿量が有意に増加した. 心エコーから求めた心内圧や脳性ナトリウム利尿ペプチド (brain natriuretic peptide ; BNP) 値は有意に低下した. 一方, 血圧に関しては有意な変化は認めなかった. 血清クレアチニン値に有意な変化はなかったが, 血清ナトリウム濃度は3例で145mEq/Lを超えたため, トルバプタンを中止した. 入退院を繰り返す非代償性心不全において, トルバプタンの追加投与は, 少量の内服でも有効な尿量増加が期待できる.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 45 (3), 259-265, 2013

    公益財団法人 日本心臓財団

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