大動脈弁輪評価におけるMDCTの臨床応用 : virtual basal ringレベルの弁輪面積から求めた平均弁輪径の有用性
書誌事項
- タイトル別名
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- Clinical application of multi-detector computed tomography in evaluating the aortic annulus diameter. Usefulness of average annulus diameter calculated from cross-sectional area at the virtual basal ring of aortic valve
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説明
TAVRの普及で大動脈弁輪径のより正確な術前評価が求められている. 一方で2D経食道心エコー (2D-TEE) が大動脈弁輪径を過小評価すると報告された. 本研究では2D-TEEが過小評価する原因をMDCTによる三次元的解析で明らかにし, 大動脈弁のvirtual basal ring (VBR) およびその直下の左室流出路の断面積から求めた平均径 (CAAD) を術中実測した大動脈弁輪径と比較し, CAADの有用性を検討した. 対象は冠動脈評価が目的の56例とAVR術前の7例である. VBRレベルのCAADが23.9±0.25mmに対し, MDCTで3 chamber viewを再構成した大動脈弁輪径は22.2±1.7mmと有意に低値であった (p<0.001). 一方VBRと左室流出路のCAAD値間に有意差を認めず (p=0.584), AVR時の実測値とVBRレベルのCAAD間にも有意差がなかった (p=0.111). MDCTによる大動脈弁基部の3D解析から, 弁尖最下点間での計測では楕円形の弁輪を斜めに測るため, 過小評価は避けがたいといえる. 術中の実測値とVBRのCAADが同等なことから, 楕円形を呈する弁輪面積から求めたCAADが人工弁サイズの選択に有用と思われた. 石灰化等で弁輪の評価が困難な場合, 左室流出路のCAADが代替評価法として考えられた.
収録刊行物
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- 心臓
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心臓 46 (7), 875-882, 2014
公益財団法人 日本心臓財団
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679025336064
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- NII論文ID
- 130005086864
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- ISSN
- 21863016
- 05864488
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可