下大静脈半奇静脈結合に左上大静脈遺残を合併した左脚ブロック型wide QRS tachycardiaの 1例
書誌事項
- タイトル別名
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- A case of wide QRS complex tachycardia with LBBB morphology in a patient with anomalous inferior vena cava with hemiazygos continuation draining into the coronary sinus via persistent left superior vena cava
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説明
症例は35歳, 女性. 主訴は動悸. 頻拍時の心電図では196bpmの左脚ブロック型wide QRS tachycardia (上方軸, 胸部誘導はconcordance pattern) を呈していた. 下大静脈は半奇静脈を経由し, 左上大静脈遺残 (PLSVC) へ結合し右房へ流入していた. 電極カテーテルは右大腿静脈からPLSVCを経由し, 冠静脈洞 (CS) , 右房 (RA) に, 右内頸静脈よりRAに, 右大腿動脈より左室中隔に配置し電気生理学的検査 (EPS) を施行した. 心房高頻度刺激で変行伝導により左脚ブロックとなりこれはclinicalの頻拍のQRS波形と一致した. 誘発された頻拍は 2種類で左副伝導路 (AP) を介した房室回帰性頻拍 (PSVT#1) と房室結節リエントリ性頻拍 (PSVT#2) でありclinicalにとらえられた頻拍はこれらの変行伝導と考えられた. PSVT#1に対しては通常通り右大腿動脈approachで左副伝導路に, PSVT#2に対しては右鎖骨下静脈よりslow pathway領域に通電を行い頻拍は誘発不能となった. 通常のapproachが困難である下大静脈半奇静脈結合に左上大静脈遺残を合併した症例にEPSならびにカテーテル心筋焼灼術が可能であったので報告する.
収録刊行物
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- 心臓
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心臓 45 (SUPPL.3), S3_74-S3_79, 2013
公益財団法人 日本心臓財団
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679025342336
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- NII論文ID
- 130004730884
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- ISSN
- 21863016
- 05864488
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可