Andersen-Tawil症候群の心室性不整脈に対してフレカイニドが有効であった 1例

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タイトル別名
  • Suppression of ventricular arrhythmias with flecainide in a patient with Andersen-Tawil syndrome: A case report

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説明

Andersen-Tawil症候群 (ATS) は多彩な特徴的身体的形態異常, 周期性四肢麻痺, 心室性不整脈を特徴とする症候群である. 本症候群患者に生じる心室性不整脈に対してフレカイニドが有効であった症例を経験したので報告する. 症例は41歳, 女性. 学生時代から検診で心電図異常を指摘されていたが精査は行われていない. 41歳時, 昼休み中に休憩室の畳の上で正座していたところ, 突然目の前が暗くなり意識消失. 2~ 3分で意識は回復した. ホルター心電図検査を施行したところ心室性不整脈35,380個/日, 最大25連発あり. 精査目的にて当院受診. トレッドミル検査では運動負荷に伴い心室性不整脈は増加し最大 5連発, 運動中止にて心室性不整脈は減少した. ビソプロロール 2.5mg内服下でのホルターでは心室性不整脈27,172個/日, 最大18連発とほとんど効果を認めず. その後フレカイニド200mgの投与を開始したところ心室性不整脈は減少し, ホルターにて心室性不整脈4,003個/日, 最大 3連発, トレッドミル検査では負荷前, 中, 後ともに心室性不整脈を認めなくなった. タンボコール200mgにメインテート2.5mgを追加したところホルターにて心室性不整脈数631個/日とさらに減少を認めた. 遺伝子検査にて KCNJ2の遺伝子変異を認めATSと診断した. フレカイニド開始後約 2年が経過したが失神などの症状は認めておらず経過順調である.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 45 (SUPPL.3), S3_184-S3_188, 2013

    公益財団法人 日本心臓財団

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