睡眠呼吸障害を合併したが, 夜間も含めて血圧が正常であった腹部大動脈瘤の2症例

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  • Two cases of abdominal aortic aneurysm with sleep apnea syndrome but without evidence of hypertension even in the night time

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抄録

<p> 1例目は73歳男性. 健診で腎機能障害を指摘され当科を初診. 腎形態の評価目的で施行した腹部CTで直径6.5cmの腹部大動脈瘤 (abdominal aortic aneurysm ; AAA) を認めた. 動脈硬化危険因子はBrinkman指数450の過去喫煙のみであった. 診察室と家庭日中での血圧はいずれも高くなかったので, 危険因子検索のため夜間高血圧と睡眠呼吸障害 (Sleep disordered breathing ; SDB) の有無を検証した. 夜間の血圧はdipper typeであったが, 簡易睡眠呼吸モニタリングにて無呼吸低呼吸指数 (apnea hypopnea index ; AHI) が38.5/時と高値で, 重症SDBと診断した.</p><p> 2例目は63歳男性. 動脈硬化危険因子はBrinkman指数375の過去喫煙のみであった. 胆石摘出前の腹部CTで直径5.5cmのAAAを腎動脈分岐部以下に認めた. 1例目同様, 診察室と家庭日中の血圧は高くなく, 夜間高血圧も認めなかった. 簡易睡眠呼吸モニタリングでは, AHI 25.0/時の中等症SDBを認めた.</p><p> 2症例ともAAAに対し外科的治療を行った後, 睡眠呼吸専門外来に紹介となった. 高血圧のないSDBにAAAが合併した2例を提示し, 両者の因果関係を考察した.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 47 (10), 1205-1211, 2015

    公益財団法人 日本心臓財団

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