僧帽弁置換術後に生じた左室破裂の1手術例
書誌事項
- タイトル別名
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- Successful repair of the left ventricular wall rupture after mitral valve replacement : A case report
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説明
<p> 症例は, 75歳, 男性. 2012年にうっ血性心不全の診断で当院入院となった. 精査にて3度の僧帽弁狭窄兼閉鎖不全症と診断され, 手術目的に当科紹介となった. 術中所見としては, 僧帽弁は前交連側の前尖から後尖にかけて肥厚し一部で癒合しており, 同部の腱索は棍棒状に肥厚していた. リウマチ性変化を伴っており弁形成術は不可能と判断し生体弁置換術を行った. 閉創中に心嚢ドレーンからの出血が急激に増加したため再開胸したところ, 心嚢内左側を中心に凝血塊が存在し左室後壁に血腫が認められ左室破裂と診断した. ショック状態となっており, 輸血と心臓マッサージを行いながら人工心肺を再装着した. 心停止下に人工弁を外すと前交連側の左室後壁に約2cmの破裂孔を認めた. 左室心筋内膜から僧帽弁輪まで4針のフェルト補強した4-0ポリプロピレン糸でマットレスをかけ, 亀裂内にBioglue®を注入した後に結紮して破裂部を修復することで止血が得られた. 僧帽弁置換術後の左室破裂の発生頻度は稀で死亡率は高い. 救命例の報告は少なく, 心内膜側から破裂部を修復することで救命できた.</p>
収録刊行物
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- 心臓
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心臓 47 (9), 1118-1121, 2015
公益財団法人 日本心臓財団
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679026048000
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- NII論文ID
- 130006745869
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- ISSN
- 21863016
- 05864488
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可