早期興奮症候群に対してCARTO mergeを用いたアブレーション治療が有効であったEbstein奇形の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Successful catheter ablation of preexcitation syndrome with CARTO merge in a patient with Ebstein's anomaly

この論文をさがす

説明

症例は59歳,女性.30歳ころから頻拍発作を認め,近医で発作性上室性頻拍と診断され,当科へ紹介となった.術前の心エコー検査でEbstein奇形を認めた.心臓電気生理学的検査では,正方向性房室回帰性頻拍が再現性をもって誘発された.術前に施行した心臓CTを元にCARTO mergeを行い,解剖学的弁輪,および右房化右室を確認しながらCARTO systemを用いてelectroanatomicalマッピングを行ったところ,三尖弁輪後壁に複数の副伝導路の存在が疑われ,心室ペーシング下の副伝導路電位,および心房早期興奮を指標にアブレーションを行うことによりδ波は消失した.以後,臨床的に認められていた頻拍発作は誘発できず,現在まで再発を認めていない.Ebstein奇形に伴うWPW症候群のカテーテルアブレーションにおいて解剖学的構造の把握と至適通電部位の同定に,CARTO mergeを利用したマッピング,アブレーションが有用であった1例を経験したので報告する.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 42 (SUPPL.4), S4_86-S4_91, 2010

    公益財団法人 日本心臓財団

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ