左開胸にて大伏在静脈グラフトを使用し再冠動脈バイパス術を施行した1例

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タイトル別名
  • Reoperative off-pump coronary artery bypass grafting through left thoracotomy with saphenous vein graft

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説明

症例は68歳女性. 18年前に冠動脈バイパス術 (Coronary artery bypass grafting ; CABG) を施行 : 大伏在静脈 (Saphenous vein graft ; SVG) -左前下行枝 (Left anterior descending artery ; LAD), SVG-高位側壁枝 (High lateral ; HL), SVG-右後下行枝 (Posterior descending ; #4PD). 13年後に施行した冠動脈造影検査ではSVG-HLは閉塞していた. 今回は数日前よりの胸痛があり冠動脈造影検査を施行, SVG-LADが閉塞していた. また, 造影CT上SVG-#4PDが胸骨直下を横断しており, 左開胸での再CABGの方針とした. 右大腿動静脈を確保した後, 第4肋間開胸した. グラフトとしては初回手術時に左内胸動脈を損傷していたためSVGを選択, in flowについては下行大動脈の近位部に, PAS-Port (Cardica社, Redwood) を使用して中枢吻合した. グラフトのデザインは肺の影響を考慮, 肺門部を通した. SVGをHL LADに吻合, 術中のflowは良好であった. 術後CoronaryCTではグラフトはpatentであり, 術後14日目に独歩退院した. 左開胸による再CABGは, グラフト損傷を回避し, オフポンプで手術を施行できる有効な選択肢であると考えられた.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 46 (10), 1394-1397, 2014

    公益財団法人 日本心臓財団

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