自己免疫性疾患が原因と考えられる若年巨大胸部大動脈瘤に対する手術経験

DOI

書誌事項

タイトル別名
  • Surgical treatment for giant thoracic aortic aneurysm in a young patient with autoimmune disease

この論文をさがす

説明

症例は, 54歳, 女性. 25歳時に自己免疫性溶血性貧血(autoimmune hemolytic anemia; AIHA), 36歳時に全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus; SLE)の既往あり. 47歳時に胸部大動脈瘤を指摘された. 53歳時に肺結核を発症. その後, 大動脈瘤が急速に拡大したため, 手術目的で紹介された. CTで, 上行から弓部に巨大な動脈瘤が存在し, 最大径は遠位弓部で120mm. 心エコーで中等度ARを認めた.<BR>手術は, 中等度低体温循環停止, 選択的脳灌流下に, 上行, 弓部大動脈置換術を施行. 大動脈弁に器質的な異常なく, ST-junctionの縫縮で大動脈弁逆流(aortic regurgitation; AR)は消失. 術翌日に人工呼吸器より離脱し, 第19病日に軽快退院. 病理所見は, 弓部大動脈に陳旧性の血管炎を認めた.<BR>AIHA, SLEに肺結核を合併し, 急速に拡大した若年巨大胸部大動脈瘤に対する手術を経験した. 病理所見より自己免疫性疾患による血管炎が原因と考えられた.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 43 (12), 1577-1580, 2011

    公益財団法人 日本心臓財団

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ