頻回に電気的除細動を施行したBrugada症候群の1例

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  • A Brugada syndrome case with electorical storm

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抄録

症例は30歳, 男性. 失神の既往および突然死の家族歴なし. 昨年の検診にて心電図異常を指摘され他院を受診, Brugada症候群が疑われたために精査を勧められたが希望されなかった. 23時ごろ自宅で食事, 飲酒後に痙攣発作をきたしたため当院救急外来を受診した. 到着時には意識レベルは改善していたが, 診察中に意識を消失, モニター心電図上心室細動を認めたため電気的除細動を施行, いったん回復するも再び心室細動となる状態を繰り返した(計3回除細動を施行). 入院後イソプロテレノ-ルの点滴およびシロスタゾールの内服を開始したが, 心室細動を繰り返した(入院後は計7回除細動を施行). 入院時には心房細動であったが, 翌朝には洞調律に復していた. 同日よりベプリジルの内服も開始した. 心臓MRIでは右室流出路の一部に壁運動異常を認めたが, 心筋の脂肪変性や線維化所見などの器質的異常所見は認めなかった. 冠動脈では有意狭窄や起始異常は認めずアセチルコリン負荷試験も陰性であった. 後日ICDの植え込み術を施行した. その後はICDの作動もなく経過している.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 42 (SUPPL.2), S2_44-S2_48, 2010

    公益財団法人 日本心臓財団

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