腎動脈本幹の塞栓症による腎梗塞の1例

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タイトル別名
  • Renal infarction caused by embolic occlusion of a main renal artery: a case report

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説明

症例は78歳, 男性. 2006年11月, 21時に突然右側腹部痛, 嘔吐が出現し同日当院受診. 心房細動を認めいったん帰宅したが, 翌朝に疼痛増悪し再受診. 腹部造影CTにて右腎梗塞と診断し緊急腎動脈造影を施行. 右腎動脈本幹は近位部で血栓閉塞しており, 局所的にウロキナーゼ計12万単位動注および血栓破砕にて, 発症18時間後に部分的再灌流を得た. 血清Crは発症2日目の1.86mg/dLがピーク値であった. 入院翌日のシンチグラフィでは右腎での集積は重度低下していた. 発症22日後の腎動脈造影では, 右腎動脈本幹の血栓像は消失していたが右腎実質は造影されず. また, 発症6カ月後に施行したシンチグラフィでも, 急性期と比し明らかな改善を認めなかった.

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 42 (2), 189-194, 2010

    公益財団法人 日本心臓財団

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