左室壁運動低下を伴いmiddle cardiac vein分岐部の冠静脈洞内での焼灼が有効であったA型WPW症候群の1例
書誌事項
- タイトル別名
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- Catheter ablation via coronary sinus vein at the level of the middle cardiac vein in a type A WPW syndrome case with left cardiac dysfunction
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説明
症例は16歳,男性.A型WPW症候群を指摘され部活動中に動悸の頻度が増加したため,アブレーションを施行した.洞調律時の2種類のデルタ波より,左側後壁に2本の副伝導路が疑われ,心エコーで左室拡大と運動低下(EF=0.47)を認めた.電気生理学的検査では後中隔副伝導路を介する房室リエントリー性頻拍が誘発され,僧帽弁輪で頻拍中の最早期心房興奮部位と洞調律時の最早期心室興奮部位 (最短AV間隔=55msec)に対してアブレーションを施行したが無効であった.心外膜側の副伝導が想定され,冠静脈洞入口部より25mmのmiddle cardiac vein分岐部付近の冠静脈洞内での洞調律時の最早期心室興奮部位(最短AV間隔=67msec)と明瞭なKent電位が認められ,同部位での通電で2本の副伝導路の焼灼に成功した.冠静脈洞内の焼灼成功部位でのAV間隔は左側の心内膜側より延長していたが,明瞭なKent電位が認められ心外膜側の副伝導路が示唆された.また,近年,後中隔や右側中隔領域の副伝導路症例では左室の非同期収縮によるLVEFの低下を認め,アブレーションによるLVEFが改善したと報告され,本例でもアブレーション後の左室機能改善が期待された.
収録刊行物
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- 心臓
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心臓 44 (SUPPL.3), S3_74-S3_81, 2012
公益財団法人 日本心臓財団
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390282679027466496
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- NII論文ID
- 130004562576
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- ISSN
- 21863016
- 05864488
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可