キレート樹脂前濃縮/誘導結合プラズマ質量分析法による有馬温泉水中の希土類元素の分布測定

書誌事項

タイトル別名
  • Measurement of distribution of rare earth elements in Arima-type springs using preconcentration with chelating resin/ICP-MS
  • キレート ジュシ マエ ノウシュク ユウドウ ケツゴウ プラズマ シツリョウ ブンセキホウ ニ ヨル アリマ オンセン スイチュウ ノ キドルイ ゲンソ ノ ブンプ ソクテイ

この論文をさがす

抄録

有馬型温泉水中のREEsをキレート樹脂を用いる前濃縮後ICP-MSにより分析した.前法でのキレート樹脂の再生法に改良を加え,5 M HClによる浸漬再生法とし,キレート樹脂中に残存し,ICP-MS測定時にEu-151の測定を干渉したBa濃度をバックグラウンドレベルに減少することができた.Eu以外のREEs濃度は高温強塩泉に比べ炭酸を含む低温強塩泉が高値を示した.有馬温泉におけるEu以外のREEsとCO2とは高い濃度相関性が見られ,温泉水中の炭酸はREEsの溶出に大きく寄与することが明らかとなった.REEsのコンドライトパターンにおいて,有馬温泉の高温含鉄強塩泉はEuに強い正の異常が認められた.また,この温泉水中のEuとKには高い濃度相関性があるが,EuはFe(II) の存在する還元環境において,基盤岩中での岩石-熱水反応によりEu(II) として溶出されるものであり,Kは高温の熱水により長石鉱物から溶出されたものと推定できる.<br>

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 52 (5), 289-296, 2003

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (2)*注記

もっと見る

参考文献 (17)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ