人工唾液に接する歯科用貴金属合金の光反射測定法によるin situ観測

  • 大江 慶司
    東京薬科大学薬学部:192-0392 東京都八王子市堀之内1432-1
  • 楠 文代
    東京薬科大学薬学部:192-0392 東京都八王子市堀之内1432-1

書誌事項

タイトル別名
  • Surface of precious dental alloys in artificial saliva observed by in situ specular reflection spectroscopy.
  • ジンコウ ダエキ ニ セッスル シカヨウ キキンゾク ゴウキン ノ ヒカリ ハンシャ ソクテイホウ ニ ヨル in situ カンソク

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説明

歯科用合金の腐食評価法として光反射測定法を用い,人工唾液中における5種の歯科用貴金属合金の安定性を検討した。取り扱った歯科用貴金属合金の人工唾液中での静止電位は,約−0.1~0.1V vs.SCEであった。人工唾液中における各種歯科用貴金属合金のサイクリックボルタモグラムから,0.1Vより正電位側で合金表面にAgClやCuClの生成が示唆された。光反射測定法では,このAgClやCuClの生成過程を電位-反射率変化として確認することができた。また,金を多く含む合金では,合金表面への塩化物イオンの吸着が示唆された。しかし,AgClやCuClの生成及び塩化物イオンの吸着は,静止電位として予測される電位よりも正電位側であった。したがって,人工唾液中でこれらの合金は安定であることが分かった。歯科用合金の腐食評価法として,歯科用合金/溶液界面を高感度にしかも“in situ”に観測することができる光反射測定法は有用であった。

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 49 (7), 503-508, 2000

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (21)*注記

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