レーザーアブレーション/誘導結合プラズマ質量分析法による蛍光ランプ中の水銀の迅速半定量分析

  • 藤原 健児
    松下電子工業(株)照明社照明開発センター:569-1193 大阪府高槻市幸町1-1
  • 中原 武利
    大阪府立大学大学院工学研究科応用化学専攻:599-8531 大阪府堺市学園町1-1

書誌事項

タイトル別名
  • Rapid semi-quantitative determination of mercury in a fluorescent lamp by laser ablation/ICP-MS.
  • レーザーアブレーション ユウドウ ケツゴウ プラズマ シツリョウ ブンセキホウ ニ ヨル ケイコウ ランプ チュウ ノ スイギン ノ ジンソク ハンテイリョウ ブンセキ

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説明

近年,環境汚染への関心が高まる中,照明産業においてランプ中の封入水銀(Hg)量の低減化が求められている。これまで,様々な化学,物理分析手法はランプ中のHgの挙動の解明に大きな役割を果たしてきた。蛍光ランプ中のHgの定量分析には,主に湿式前処理による化学分析法が用いられているが,前処理におけるHgの揮散の可能性,ランプ内の局所的な分析の制約や迅速性について問題があった。そこで本法では,レーザーアブレーション(LA)/誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)による蛍光ランプ中のHgの迅速かつ簡便な局所分析法を開発した。定量方法としては,蛍光体中に約2wt%含有されているユーロピウム(Eu)を内標準元素に用いて求めたHg/Eu強度比と,セルロースに酸化水銀,酸化ユーロピウムを混合して作製したペレットを用いて求めたHg/Euの相対感度係数から蛍光ランプ中のHg濃度を算出した。本法での60μg g-1 Hg含有試料の5回測定におけるRSDは20%以下であった。検出限界(3σ)については,3.6μg g-1であった。本検討により,蛍光ランプ中の局所的Hg濃度の迅速かつ簡便な半定量分析法を確立した。

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 49 (9), 661-666, 2000

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (20)*注記

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