時間分解ストップトフロー広域X線吸収端微細構造法による不安定短寿命中間体の局所構造解析

  • 稲田 康宏
    名古屋大学物質科学国際研究センター:464-8602 愛知県名古屋市千種区不老町

書誌事項

タイトル別名
  • Local structure analysis of short-lived reaction intermediates by means of a time-resolved stopped-flow extended X-ray absorption fine-structure technique.
  • ジカン ブンカイ ストップトフロー コウイキ Xセン キュウシュウ タン ビサイ コウゾウホウ ニ ヨル フアンテイ タンジュミョウ チュウカンタイ ノ キョクショ コウゾウ カイセキ

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抄録

広域X線吸収端微細構造(EXAFS)法に時間分解検出系を組み込み,不安定短寿命中間体のサンプリング機構として最も優れたストップトフロー装置を組み合わせた時間分解ストップトフローEXAFS装置を開発した。分散型光学系を有する装置では,目的とするX線エネルギー領域全体を同時に測定することができる。また,放射光を光源とした装置では,ミリ秒オーダーの時間分解測定に成功した。これらの装置を用いて,酸性水溶液中におけるクロム酸イオンの過酸化水素による還元反応過程に存在するペルオキソクロム中間体,水銀(II)イオンが共存する水溶液中におけるポルフィリンへの銅(II)イオンの挿入反応過程に存在する銅(II)/水銀(II)ヘテロ二核ポルフィリン中間体,及びN,N-ジメチルホルムアミド中におけるCoCl(NH3)52+とFe2+との内圏型電子移動過程に存在する電子移動前駆中間体中の各金属中心周りの局所構造を解析した。これらの結果から,それぞれの反応の反応機構を分子論的に決定するとともに,不安定短寿命中間体の構造に見られる特徴や短寿命であることの本質的要因を解明した。

収録刊行物

  • 分析化学

    分析化学 49 (8), 563-573, 2000

    公益社団法人 日本分析化学会

被引用文献 (1)*注記

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参考文献 (47)*注記

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