集水域の生物地球化学シミュレーションモデルの有用性と課題  集水域研究におけるシミュレーションモデルへの期待

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タイトル別名
  • Prospects for simulation models in watershed studies
  • 集水域研究におけるシミュレーションモデルへの期待(巻頭言)
  • シュウスイイキ ケンキュウ ニ オケル シミュレーション モデル エ ノ キタイ カントウゲン

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抄録

集水域環境を研究する上で, 陸上生態系と陸水生態系の間での物質循環を通した密接なつながりを無視することはできない。物質循環・水循環のシミュレーションモデルは, 森林・水資源の持続的利用や森林集水域系の適応的管理をはかるためだけではなく, 森林集水域における物質循環・水循環の科学研究にとっても有効な手段である。われわれは, 2005年9月に開催された日本陸水学会第70回大会 (大阪教育大学, 柏原市) の課題講演「集水域の生物地球化学 : 物質循環・水文過程に基づく集水域環境のシミュレーションモデル」において, シミュレーションモデルの有効性と限界について議論した。そこでは, 森林, 河川, 湖沼生態系の生物地球化学的, 水文学的モデルが紹介された。異なる気候・環境条件の場所に適用するには注意が必要であるが, シミュレーションモデルが集水域における環境変化を理解し, また予測するための有効で強力な手段であるという認識を得ることができた。各講演のタイトルは, 1. 「森林生態系の生物地球化学モデル : PnETモデルの適用と課題」, 2. 「シミュレーションモデルを用いた森林攪乱の長期影響評価」, 3. 「森林生態系からの溶存物質の流出をモデル化するために考慮しなければならない事柄」, 4. 「河川シミュレーションモデルの現状と課題」, 5. 「湖水の流動モデルと生物地球化学的物質循環モデル」であった。ここでは, これら5講演を総説としてまとめた。総説の内容は, 講演発表に基づいているが, 内容としてより詳しく, 充実したものになっている。

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